もっとも大きな特徴は、その幅が広いことです。ですから、この歯が抜けてしまうと、顔立ちが変わってしまいます。時々、小学生の男の子で遊んでいてこの歯を強くぶつけて、抜けてしまうことがあります。この場合は、可能な限り抜けた歯を元に戻して、周囲の歯で固定します。結果的に脱落してしまうかもしれませんが、一度は再植処置を行ってみるべきです。
歯の幅は1番の80%ぐらいで、角も丸くなっています。形も個人差が大きく、先天的に欠損している場合もたまにあります。また、この歯の裏側には小さなくぼみ(盲孔)があいていることがあり、本人が気づかないうちにこの盲孔が虫歯になってしまいます。子供では虫歯の進行が早いので、神経に達しないうちに、発見しだい治療する必要があります。
32本中、、もっとも長い歯です。つまり、抜けにくく頼りになります。先端がとがっていて、顔立ちをつくるのに欠かせません。八重歯を歯列矯正で治すとき、3番を正常な位置に誘導するため、隣の4番を抜歯するのもこれらの特徴のゆえです。
なお、この3番がはえてこないとき、原因は先天欠損ではなく埋伏していることが一般的です。
1番から3番までを前歯と呼びます。つまり前歯は上に6本、下に6本あることになります。
4番から後ろの歯を臼歯(きゅうし)と呼びます。その中で4番と5番を小臼歯、6番から8番を大臼歯と呼びます。
ご自分の舌で、3番の歯の先端のとんがり(咬頭)を確認したら4番の特徴を舌で調べてみてください。そうです、4番はとんがりが内と外の2つあります。歯の神経も1本の歯に,2本通っていることが多いです。
この4番は口をあけると見えるので、差し歯にする場合は、銀歯ではなく白い歯(歯の色に似せたかぶせる歯)にしたほうがよいでしょう。保険診療では、HJC(エイチジェーシー)あるいはCADCAM(キャドカム)といって樹脂の差し歯でします。なお、保険診療でHJCは、1番から5番の歯に認められており、CADCAMは4番目と5番目の歯に認められております。CADCAMは条件付きで6番目の歯に保険適応となります。現在では1番から3番の歯は、硬質レジン前装鋳造冠という、金属の前側にプラスチックスを貼り付けたものでかぶせることが一般的です。
形は4番に似ています。でも、形全体が4番よりも丸みを帯びています。
なお1番から5番までが、乳歯から、はえ変わる永久歯です。つまり、Aの代わりに1番、Bの代わりに2番、Cの代わりに3番、Dの代わりに4番、そしてEの代わりに5番がはえてきます。
用語を解説します。
口の中での位置関係を表すのに、次の4つの言葉を使います。歯並びの中で1番に近いほうを近心(きんしん),遠いほうを遠心(えんしん)と言い、さらに同じ歯のなかでも1番に近い部位を近心、遠い部位を遠心と呼びます。
また、歯並びの上あご側、あるいは舌側を舌側といい、ほっぺた側を頬側と呼びます。
6番から歯の形が一変します。すなわち、歯の前後の長さ(近遠心径)のほうが、内外の長さ(頬舌径)よりも大きくなります。簡単に言うと、長方形です。
6番では、咬頭が4つあり、ひとつの歯に歯根は3本、神経も3本あります。
10人に一人くらいは、”カラベリの結節”があります。これは舌側近心咬頭の舌側に出現する”こぶ”です。ただ、これがあったからと言って別に何でもありません。2番の盲孔みたいに虫歯の好発部位でもありません。ただ、他の人とは少し違うというだけです。
6番よりも形が小さくなります。現実的な最後方歯であり、この歯の頬側の面が虫歯になりやすいです。
完全にはえていて、しかも正常な歯並びの位置にある人は20人に一人くらいではないでしょうか。
不完全なはえかたや、歯並びからそれた場所にはえている8番は抜歯するのが原則です。診療していて、この歯ほど個人差が大きい歯はないと思います。歯根が1本のものから3本あるものまでさまざまで、かつ歯根の形もほっそりしたものから、曲がってさらに途中でふくらんだものまで千差万別です。
この形態の特徴から8番を抜歯する際には、CTでその形態や位置を診断します。