永久歯の中でもっとも小さい歯です。幅が狭いのが特徴です。
上の2番とは異なり、1番より幅が広くなっています。形の個人差も上の2番と異なり, ほとんどありません。
形は上の3番と似ています。咬頭がとがっているので、舌でさわるとすぐにわかります。神経をとる治療をするために麻酔をする場合、1、2番では歯の根元に針を刺せば麻酔が効きますが、3番では歯根が,わりと長いのでオトガイ孔伝達麻酔が必要なことが多いです。
オトガイ孔とは、下の5番の根元の下方にある小さな穴で、この穴から知覚神経と血管が下顎骨から出てきています。出てきた知覚神経と血管は歯肉のすぐ下を通って下唇や頤(おとがい)に向かいます。
伝達麻酔とは知覚神経のすぐ近くに麻酔薬を注射することにより、その知覚神経が支配する一定の範囲すべてに麻酔をかける手技のことです。歯科の分野では、下の大臼歯の神経をとる場合や、下の8番を抜歯する場合に下顎孔伝達麻酔が行われます。
下顎孔とは下の8番の後方にあり、脳から来ている神経と血管が下顎骨に入る穴です。下顎孔から下顎骨内に入った神経と血管が、オトガイ孔から出てきます。
伝達麻酔の逆が浸潤麻酔という方法で、歯科治療で一般的に行われているのはこの麻酔方法です。これは、歯の根元の骨の付近に針を刺し、麻酔薬を治療する歯の根元付近に注入します。注入された麻酔薬は骨の中を浸潤して、歯の根元の神経に達します。
伝達麻酔も神経のすぐ近くに麻酔薬を注入し、麻酔薬が組織の中を浸潤して神経に達するのであって、神経に直接針を刺すわけではありません。そういう意味では、伝達麻酔も浸潤麻酔の一種ですが、あくまでも知覚神経の支配域に麻酔をかけるという概念の有る無しで区別しています。
上の4番は咬頭が2つあるので、舌で触ると、とんがりが2つ触知できました。下の4番は咬頭が2つあるものの、舌側咬頭が小さいので舌で触ってもはっきりとはわからないと思います。舌側咬頭は中央よりもやや近心側に片よっています。
4番よりも形が四角くなっています。
歯の咬みあう部位(咬合面)に溝があります。4番ではこの溝が中央で分断されているのに対し、5番では溝が一本につながっています。
下の6番は小学1年生ごろにEの後ろに生えてきます。形は5角形をしていて咬頭も5つあります。歯根は通常は2本ですが3本ある方もまれではありません。逆に歯根が1本しかないことは決してありません。
歯根の周囲の骨が硬く、神経をとる治療で麻酔が効きにくいので苦労します。下顎孔伝達麻酔をする場合が多いです。ただ、歯槽膿漏で歯がぐらぐら動いている場合は、浸潤麻酔でも十分効きます。
6番は5角形でしたが、7番は丸みを帯びた四角形をしています。歯根は通常は2本ですが、1本しかない場合もままあります。逆に、歯根が3本あることは、まずありません。これが下の6番と7番の間の大きな相違点です。
親知らずといえば、この歯をさすほど現代人を悩ませている歯です。まっすぐはえていて、しかもちゃんと上の7番8番とかみ合っている人は、100人に一人くらいではないでしょうか。通常は近心に傾斜していて、歯の咬合面を歯肉が覆っていることが多いです。こういう方はできるだけ早く8番を抜歯したほうが良いでしょう。8番そのものが虫歯になることはもちろん、7番までもが虫歯になってしまいます。しかも、7番の虫歯は歯根にできてしまう場合も多く、発見が遅れ、痛みが出たときにはすでに進行していて、7番の神経をとらなければならくなっています。
中途半端にはえているよりは、完全に骨の中に埋まっていたほうが、炎症などの問題は起こりにくいと思います。
参考文献 歯の解剖学第21版 藤田恒太郎著 桐野忠太改訂 金原出版
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